
YouTubeなどで動画を見ていると、音声に合わせてテロップを時間差表示していることがあります。
他の編集ソフトだと時間を指定してテロップの表示ができますが、Premiere Proにはそういった機能がありません。
そのためクリップを2つ重ねたり、エフェクトを使用したりする必要があります。
今回はPremiere Proで「テロップを時間差表示する方法」について詳しく解説します。
テロップの演出の幅を広げたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
- Aviutlの制御文字のような演出を作りたい
- 音声に合わせてテロップを表示したい
- 時間差表示で演出の幅を広げたい
【Premiere Pro】初心者が知っておきたい!基本的なテロップの入れ方!
テロップの時間差表示とは?
先に「どんなことをやりたいのか」をご紹介します。
テロップの時間差表示は、以下のように1行目と2行目を時間差で表示させる演出です。

また1行を分けて表示するこもできます。

この記事では、Premiere Proでこの演出を作る方法について解説していきます。
Premiere Proでテロップを時間差表示させる方法
Premiere Proで時間差表示をするには、大きく分けて2つの方法があります。
クリップ2つ使う方法とエフェクトを使用する方法です。
- クリップを2つ使う方法
- クロップを使う方法
- リニアワイプを使う方法
クリップを2つ使う方法
これはエッセンシャルグラフィックスのクリップを2つ作って、時間差表示する方法です。
まず1行目に表示するエッセンシャルグラフィックスを作成し、行末で改行して2行にしておきます。

次に2行目に表示するエッセンシャルグラフィックスを作成します。
2行目に表示するエッセンシャルグラフィックスには、改行してからテキストを入力します。

後は作成したエッセンシャルグラフィックスを重ねて、表示したいタイミングに並べます。

これでテロップの時間差表示ができました。
クリップ2つで1行を時間差表示させる方法
1行を時間差で表示させる場合もやり方は同じです。
クリップを2つ作成して、後から表示させるクリップには、1行目の文字数分スペースを入れておきます。
あとはクリップをズラして、表示したいタイミングで重ねればいいだけです。
ただクリップを2つ使って1行を時間差表示するのは、あまりおすすめできません。
文字を数える手間やスペースを入れる手間が増えてしまうからです。
1行を時間差表示させたいのであれば、下記で紹介するエフェクトを使った方が簡単です。
クロップを使う方法
クロップは上下左右の値を指定して、トリミングできるエフェクトです。
まずエッセンシャルグラフィックスで時間差表示したいクリップを作成します。

作成したクリップにエフェクトから「クロップ」を適用します。

そうするとエフェクトパネルにクロップが追加されます。

「下」の値を変更して2行目の「かきくけこ」が上手くトリミングされるように調整します。

「かきくけこ」のトリミングができました。

次に再生ヘッドを最初に移動させて、アニメーションをオンにします。

「かきくけこ」を表示したい位置の1フレーム前に再生ヘッドを合わせて、キーフレームを打ちます。

最後に再生ヘッドを1フレーム進めて、「下」の値を0にします。

これでテロップの時間差表示ができます。
クロップで1行を時間差表示させる方法
クロップで1行を時間差表示させるには、「右」の値を変更してキーフレームを打ちます。
- クリップを作成してクロップを適用する
- 右の値を変更してトリミングする
- 再生ヘッドを最初に合わせてアニメーションをオン
- 表示したいタイミングの1フレーム前でキーフレームを打つ
- 1フレーム進めて右の値を0にする
これで1行でも時間差表示ができます。
リニアワイプを使う方法
リニアワイプは角度を指定してトリミングができるエフェクトです。
クロップが上下左右を指定できるのに対して、リニアワイプは斜めなどからトリミングができます。
使い方はクロップとほとんど同じです。
まずエッセンシャルグラフィックスで時間差表示したいクリップを作成します。

作成したクリップにエフェクトから「リニアワイプ」を適用します。

エフェクトパネルにリニアワイプが追加されるので、ワイプ角度を0にします。

この状態で変換終了の値を変更すると、2行目をトリミングできます。

ちょうど2行目がトリミングされる値に調整してください。

再生ヘッドを最初に合わせて、アニメーションをオンにします。

2行目を表示したい位置から1フレーム前で、キーフレームを打ちます。

1フレーム進めて、変換終了の値を0にします。

これでテロップの時間差表示ができるようになりました。
リニアワイプで1行を時間差表示させる方法
リニアワイプで1行を時間差表示させるには、ワイプ角度を-90にしてキーフレームを打ちます。
- クリップを作成してリニアワイプを適用する
- ワイプ角度を-90にする
- 変換終了の値を変更してトリミングする
- 再生ヘッドを最初に合わせてアニメーションをオン
- 表示したいタイミングの1フレーム前で変換終了のキーフレームを打つ
- 1フレーム進めて変換終了の値を0にする
これで1行でも時間差表示が可能です。
エフェクトで時間差表示するときの注意点
エフェクトを使って時間差表示をするとき、テキストの間隔や行間によって上手くトリミングできない場合があります。
例えばトラッキングの値を小さくして、テキストの間隔を狭めたとします。

この状態だと「お」と「か」の間でトリミングするのが難しいです。
リニアワイプで調整すると、53%で「か」が残り、54%で「お」が切れてしまいます。

フォントや文字サイズ、間隔や行間によってこうなってしまう可能性があるため、上手くトリミングできない場合は調整が必要です。
Premiere Proでテロップを時間差表示させる方法まとめ
今回はPremiere Proでテロップを時間差表示する方法について解説しました。
- テロップの時間差表示とは?
- クリップを2つ使う方法
- クロップを使う方法
- リニアワイプを使う方法
- トリミングが上手くできないときの注意点
時間差表示ができるようになると、音声に合わせてテロップを自由に表示できます。
また後から表示するテキストのスタイルを変えたり、効果音と合わせたりして、さまざまな演出が可能です。
簡単なことですが、わりと使えるテクニックなので、ぜひ使ってみてください。
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