
動画編集を始めた方のほとんどが「テロップをもっと効率よく入れたい」とお考えではないでしょうか?
特に初心者の方は、Premiere Proの便利な機能を知らないことも多いです。
- 自動文字起こしの誤字・脱字を早く修正したい
- 一度作ったエッセンシャルグラフィックスを使いまわしたい
- 一度作ったエフェクトを使いまわしたい
- ショートカットを覚えたい
そこで今回は初心者の方が知っておいた方がいい「基本的なテロップの入れ方」についてご紹介します。
自動文字起こし機能を使ったテロップの入れ方
これは取り込んだ動画の音声からAIが自動で文字起こしをしてくれる機能です。
基本的な使い方や誤字・脱字の修正方法を1つずつ解説していきます。
基本的な使い方
今回こちらのサンプル動画を読み込ませて、自動文字起こし機能を使っていきます。
同じ手順で進めたい方はこちらの動画をダウンロードして進めてみてください。
まずタイムラインに動画を取り込みます。
動画を直接ドラッグ&ドロップ、またはメディアブラウザから選択してタイムラインに入れてください。

タイムラインのビデオクリップを選択した状態で「シーケンスから文字起こし」をクリックします。

言語を日本語、オーディオ分析をオーディオ1にして「文字起こし開始」をクリックすればレンダリングが始まります。

文字起こしができたらテキストウィンドウの「CC」をクリックしてキャプションを作成しましょう。

設定できる項目の内容は以下の通りです。
シーケンンストランスクリプトから作成 | 分析した音声からテロップを作成 |
空のトラックを作成 | トラックのみ作成(後から手動でキャラプションを作成する場合はこちら) |
形式 | フォントの形式 |
文字の最大長 | 1行に入れる最大文字数 |
秒単位の最小期間 | クリップの長さ(3に設定した場合3秒以下のクリップが作成されない) |
キャプション(フレーム)間のギャップ | クリップとクリップの空白 |
線グラフ | テロップの行数 単一:1行 2倍:2行 |
作成をクリックすると、タイムライン上にキャプショントラックとクリップが自動作成されます。

テロップの装飾を変更する方法
フォント・色・サイズなどを変える場合はキャプションクリップを選択した状態で、「エッセンシャルグラフィックス」を開きます。
編集の画面でフォントや配置、色などを自分好みに設定しましょう。

今回は以下のように設定しました。

テキスト | HGP創英角ポップ体 |
フォントサイズ | 90 |
塗り | 白(#FFFFFF) |
境界線1 | 黒(#000000) サイズ:10 |
境界線2 | オレンジ(#FFB200) サイズ:15 |
装飾したらトラックスタイルからスタイルを作成、名前を付けてOKを押します。
これで全部のキャプションクリップにこの装飾が反映されます。
一部のみ変更したい場合
演出によって一部のテキストのみ装飾を変えたいこともあります。
その場合は特定のキャプションクリップ、またはキャプションクリップ内の一部テキストを選択した状態でフォントやサイズを変更すればテロップに反映されます。

エフェクトをかけたい場合
残念ながらPremiere Proでは、キャプションクリップに直接エフェクトをかけることができません。
エフェクトをかけるためにはキャプションクリップをエッセンシャルグラフィックスにする必要があります。
手動で1つずつエッセンシャルグラフィックスに変更するか、Vrewを使って一括で変更しましょう。
手動の場合はキャプションクリップに合わせてエッセンシャルグラフィックスを作成し、テキストをコピペしていくだけです。
Vrewは使い方を解説してくれている方がいたので、こちらの動画を参考にしてみてください。
誤字・脱字の修正方法
直接テキストを修正する方法、誤字を一括で修正する方法を解説していきます。
直接誤字を修正
キャプションやプログラムモニターで直接修正ができます。
キャプションウィンドウではクリップごとにテキストが分かれています。
修正したいテキストの箇所でダブルクリックすれば修正が可能です。

同じくプログラムモニターに表示されているテキストもダブルクリックすると文字ツールに変わり、直接修正ができます。

特定のワードを一括で検索・置換
同じ誤字が複数ある場合に一括で修正できる機能です。
今回のサンプル動画では「自動文字起こし」が一部「自動重石おこし」になっています。
これを検索・置換機能で修正します。
使い方は簡単でキャプションの検索ボックスに誤変換されているワードを入力。

次に検索ボックスの右側にある丸い矢印のアイコンをクリックして置換したいワードを入力します。
1つずつ修正したい場合は「置き換え」、「すべてを置き換え」を選択すると検出された全てのワードが修正されます。

クリップの分割・結合
自動文字起こし機能で生成されたクリップは、離れた音声のクリップが1つになっていたり、文章が不自然な形で途切れていたりすることがあります。
そういった場合はクリップを分割・結合して修正していきましょう。
クリップを分割する
例えば以下のテロップを1行ずつ表示させたい場合はクリップを分割します。

「これは自動文字起こし機能を」で音声が終わるところに再生ヘッドを合わせます。

クリップを選択した状態でレーザーツール(Cキー)、もしくは「Ctrl+K」で分割して下さい。

再生ヘッドを合わせた状態でキャプションウィンドウからも分割ができます。

後は前半のクリップに「これは自動文字起こし機能を」、後半のクリップに「解説するためのサンプル動画です」と入力すればテロップを1行ずつ表示することができます。

クリップを結合する
自動文字起こし機能を使うと、文章が不自然な状態でクリップが分割されることがあります。
クリップを結合することで文章を自然な形に修正できます。
キャプションの画面で結合したいクリップを選択してください。
Ctrlキーを押しながらクリックすれば複数クリップを選択できます。

右上の三点リーダーからクリップの結合を選択すれば、2つのクリップが1つになります。

ちなみにビデオクリップなどはカットした部分にカーソルを合わせてCtrlキーを押しながら左クリックを押すと赤い線が入ります。

この状態でDeleteキーを押すとクリップの結合が可能です。

手動で効率よくテロップを入れる方法
自動文字起こし機能は非常に便利ですが、誤字・脱字が多すぎると修正する方が手間になってしまうこともあります。
その場合は最初から手動で入力した方が早いです。
手動で効率よくテロップを入れる方法について解説していきます。
クリップを複製してテロップを入れる方法
一度作ったエッセンシャルグラフィックスを複製しながらテロップを入れていく方法です。
まずはエッセンシャルグラフィックスでテロップを作成してください。

「Alt+ドラッグ」でクリップが複製できます。

あとは音声に合わせてクリップを複製、長さを調整し、テキストを入力していきましょう。

複製したクリップはテキストの装飾がそのままなので、1つずつエッセンシャルグラフィックスを作り直す必要がありません。
コピペするより簡単なので、同じスタイルのテロップを使う場合は、複製の方が速くテロップを入れられます。
クリップをカットしてテロップを入れる方法
先にクリップを動画の長さに合わせてから、カットしてテロップを入れていく方法です。
まずはエッセンシャルグラフィックスで作ったテロップを動画の長さに合わせます。

あとは音声を確認しながらテロップをカットして、テキストを修正していきます。

音声がない部分は削除、またはクリップの長さを合わせればいいだけなので、人によっては複製より簡単かも知れません。
テロップ入れに便利なショートカットキー
Premiere Proにはさまざまな作業を時短できるショートカットキーが複数あります。
テロップ入れのときに覚えておくと便利なショートカットキーをいくつかご紹介します。
カット | Ctrl+K |
再生 | L or space |
倍速 | L×押した回数 |
巻き戻し | J |
巻き戻し倍速 | J×押した回数 |
再生(スロー) | Shift+L |
巻き戻し(スロー) | Shift+J |
停止 | K or space |
全角のまま再生 | Ctrl+space |
リップル削除 | Shift+Delete |
エッセンシャルグラフィックスを使いまわす
エッセンシャルグラフィックスをテンプレートとして保存しておけば、他のプロジェクトでも同じものが使えるようになります。
テンプレートに保存
まずエッセンシャルグラフィックスを作成して、フォントや文字色などを設定します。
設定ができたらクリップを右クリックして「モーショングラフィックステンプレートとして書き出し」を選択。

名前とキーワードを入力してOKを押せば保存ができます。

名前を忘れてしまっても設定したキーワードで検索が可能です。
複数登録できるので、作ったエッセンシャルグラフィックスの特徴を入力しておきましょう。
またエッセンシャルグラフィックスはテキストだけではなく、レイヤーから画像や図形も追加ができます。

図形を使った吹き出しや背景素材なども一度作っておけば使いまわしが可能です。
テンプレートの読み込み
保存したテンプレートは参照から読み込むことができます。
エッセンシャルグラフィックスの参照から名前、またはキーワードを入力して検索。

該当するテンプレートはタイムラインにドラッグ&ドロップで使用が可能です。

エフェクトを使いまわす
作成したエフェクトもプリセットに保存しておけば、他のプロジェクトで使用できます。
今回は波形ワープを使ってテキストを揺らすエフェクトを作ってみました。

波形ワープを右クリックして「プリセットの保存」を選択。

名前を入力してOKを押せば設定したエフェクトがプリセットして保存されます。

エフェクトのプリセットを開いて保存したエフェクトがあれば、他のプロジェクトでもそのエフェクトを使うことができます。

テロップ入れ方まとめ
今回はPremiere Proのテロップの入れ方について解説しました。
- 自動文字起こし機能を使ったテロップの入れ方
- 手動で効率よくテロップを入れる方法
- テロップ入れに便利なショートカットキー
- エッセンシャルグラフィックスの使いまわす方法
- エフェクトの使いまわす方法
切り抜きなどの編集をやると8割がテロップ入れの作業です。
動画によって自動より手動の方が効率よく編集できることもあるため、いろいろなテロップの入れ方を覚えておくと効率アップにつながります。
覚えておいて損はないので、初心者の方はぜひ試してみてください。
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