
TikTokやYouTube shortsにある「ピタ止め動画」というコンテンツをご存じでしょうか?
10秒くらいのショート動画で、動く画像が同じ画像と重なったところで停止すると、別の画像が見られるというものです。
人気の動画だと数百万再生されているものもあり、集客・宣伝用として作成している方が多く存在します。
どの編集ソフトでもわりと簡単に作成できたので、今回はピタ止め動画の作り方について詳しく解説します。
ピタ止め動画とは?
ピタ止め動画は、動く画像が重なった瞬間に再生を止めることで、切り替わった画像が見られるというコンテンツです。
見てもらった方がわかりやすいと思うので、サンプルを作成しました。
私服の状態で鳥の画像が重なるときだけパジャマ姿になる動画です。
「ピタ止めチャレンジ」というタグもあり、成功するまで繰り返し再生することから、視聴時間が伸びやすいようです。
作成コストも低く、短時間で量産できるため、集客・宣伝用のコンテンツとしてはお得かもしれません。
ピタ止め動画の作り方
それでは実際にピタ止め動画を作る方法について解説します。
使用したことのある編集ソフトごとに解説しますが、操作方法が違うだけでやる事は全て一緒です。
自分に合いそうなものを使ってみてください。
ピタ止メーカー
ダナさんという方が開発したピタ止め動画が作成できるWebアプリです。
画像2枚を設定して、テンプレートを選択するだけで簡単に動画が作成できます。

おそらくピタ止メーカーが使えるのであれば、これが一番簡単だと思います。
ただし、私の環境だと40%で止まってしまい作成できませんでした。
一度試してみて動かない場合は、自作する必要があります。
DaVinci Resolve
DaVinci Resolveはカラー編集に特化した無料の動画編集ソフトです。
有料版もありますが、ほぼ全ての機能を無料で使用することができます。
インストールについては別記事で紹介しているので、こちらを参考にしてください。
・公式サイト
まず新規プロジェクトを作成して、右下の歯車マークから設定画面を開きます。

タイムライン解像度を1920*1080にし、「縦長の解像度を使用」にチェックを入れて保存します。

これで縦長のショート動画用のものにできます。
次にページ下部からエディットページに行き、メディアプール、または直接タイムラインに素材を追加します。

下から元となる画像、一瞬表示する画像、重ねる画像の順にタイムラインに追加して、クリップの長さを調整してください。
今回は10秒にして動画を作成します。
また重ねる画像のクリップは複製して、2つにしておいてください。
クリップを選択した状態からAlt+ドラッグで複製できます。

次に重ねる画像のサイズと位置を調整します。
右上のインスペクタから、ズームと位置で調整が可能です。

重ねる画像のサイズを合わせて、下のクリップを左下、上のクリップを右下に移動しました。
このとき2つとも縦軸の値は同じにしておいてください。

次にカラーページに移動して、重ねられる方を白黒にします。

対象のクリップを選択して、真ん中よりやや左上にあるギャラリービューを開きます。

カラー編集用のテンプレートが表示され、ドラッグ&ドロップで適用することができます。
今回はDeSatsにある「Hi-Con BnW」を使用します。
ドラッグ&ドロップでノードに追加してください。

エディットページに戻り、キーフレームを使ってアニメーションの作成します。
動かす方のクリップを選択し、再生ヘッドを最初に移動して、インスペクタ画面で位置のキーフレームを打ちます。

8秒のところで画像を切り替えたいので、再生ヘッドを8秒に移動して、X軸を下のクリップと同じ値に設定します。

また重なった瞬間に1フレームだけ停止したいので、1フレームだけ進めて再度キーフレームを打ちます。
再生ヘッドを最後に合わせて、画像が通り過ぎるように位置の値を調整します。
最後に一瞬表示する画像を8秒のところでカットし、1フレーム分の長さだけ残してください。

これでピタ止め動画は完成です。
書き出しはデリバーページから行えます。
DaVinci Resolveの基本的な操作方法については、こちらの記事を参考にしてください。
Premiere Pro
Premiere Proは有料ですが、AIなど最先端の技術をいち早く使える動画編集ソフトです。
・公式サイト
まず新規プロジェクトを開いて、ファイル→新規→シーケンスと進み、設定のフレームサイズを横1080、縦1920にします。

この状態で一番下の「OK」をクリックし、シーケンスを作成してください。
次に画像素材をタイムライン上に追加します。
DaVinci Resolveと同じく、下から元となる画像、一瞬表示する画像、重ねる画像の順にタイムラインに追加して、クリップの長さを調整します。
重ねる画像のクリップはAlt+ドラッグで複製しておいてください。

次にエフェクトコントロールのスケールと位置で、重ねる画像のサイズと位置を調整します。
サイズを合わせて、下のクリップを左下、上のクリップを右下に移動しました。

このとき2つとも縦軸の値は同じにしておいてください。

次に重ねられる方の画像を白黒にします。
エフェクトからモノクロで検索して、「モノクロの色あせたフィルム」をクリップにドラッグ&ドロップするだけです。

次にキーフレームを使って、上のクリップを動かします。
再生ヘッドを最初に戻して、位置のキーフレームをONにします。
次に画像を切り替えたい位置に再生ヘッドを移動して、下のクリップと横軸を同じ値にします。
DaVinci Resolveと同じく、8秒の位置で設定しました。

重なったときに1フレーム分停止させたいので、1フレーム進めてキーフレームを追加します。

再生ヘッドを最後に移動させて、通り過ぎる動きになるよう位置の値を調整してください。
最後に一瞬表示させる画像を8秒のところに合わせて、長さを1フレーム分にカットします。

これでピタ止め動画は完成です。
左上の「書き出し」からエンコードが行えます。

YMM4
YMM4はゆっくり解説動画を作るのに特化した編集ソフトですが、工夫すればピタ止め動画も作成できます。
・公式サイト

最初にYMM4を起動して、ファイル→動画の設定を開き、動画を回転させるというアイコンをクリックします。
これで縦長の動画になるので、OKをクリックして保存してください。

YMM4は他の動画編集ソフトとは逆で、下のクリップが手前に来ます。
ですので、上から元となる画像、一瞬表示する画像、重ねる画像の順に追加して、長さを調整します。
重ねる画像のクリップは、右クリックから複製で2つにしておいてください。

次に重ねる画像のサイズを変更して、位置を調整します。
レイヤー02のクリップを左下、レイヤー03のクリップを右下に移動させます。
なお、YMM4は素材を直接ドラッグしたり、マウスホイールでサイズを変えたりできます。
サイズは拡大率の値を揃えた方が正確ですが、位置はスナップ機能があるため、ドラッグだけでも綺麗に揃えられます。

次にレイヤー02のクリップを白黒にします。
右側の映像エフェクトの「+」ボタンからエフェクトの追加が可能です。
やり方はいろいろありますが、今回は色調補正を追加して彩度を0にしました。

次にレイヤー03のクリップを動かすアニメーションを作ります。
再生ヘッドを8秒の位置に移動して、X軸のアニメーションを直線移動にします。

X軸のスライダーが2つになるので、下のスライダーを調整して、鳥の画像が重なるようにしてください。

なお、YMM4のアニメーションは、位置の始点と終点を設定するものです。
例えば10秒のクリップだったら、上のスライダーの位置から下のスライダーの位置まで、10秒かけて移動させるものになります。
レイヤー02と同じ値にしても重ならないので注意してください。
重なったときに停止させる処理が必要なければ、最後に一瞬表示させる画像を8秒の位置で1フレーム分カットすれば完成です。

もし1フレーム分停止させる演出を作るのであれば、少し工夫が必要です。
まずレイヤー03のクリップを3分割します。

分割したクリップをそれぞれ以下のように設定します。
- 1のクリップ:終点をレイヤー02のX軸と同じ値
- 2のクリップ:アニメーションなしでレイヤー02のX軸と同じ値
- 3のクリップ:レイヤー02のX軸を始点にして通り過ぎるように終点を調整
これで画像が重なる瞬間だけ、1フレーム停止させることができます。
エンコードは、ファイル→動画出力から書き出すことができます。
CapCut
CapCutはTikTokが運営している会社が開発した編集ソフトです。
デフォルトで縦長動画が作成できるようになっており、エフェクトやアニメーションなどが簡単に実装できるようになっています。
PCの場合Webアプリもありますが、いろいろ機能に制限があるため、Windows版をおすすめします。
公式サイト、またはMicrosoft storeからダウンロードが可能です。
・公式サイト
CapCutを起動したら、まずは利用するためにサインインします。
TikTokやGoogleアカウントでログインができます。

ログインしたら、新しいプロジェクトを作成します。

編集画面が開くので、まずは日本語にします。
左上のMenuからSettingを開いてください。

Languageのタブで日本語を選択して、Saveをクリックします。

再起動を求められるので、Restartをクリックします。

これで日本語表記になります。
次にタイムライン上に素材を追加します。
下から元画像、切り替える画像、重ねる画像に並べて、長さを10秒にしてください。

下のクリップを選択して、右上の画面で位置とサイズを設定します。
- スケール:30%
- 位置:X軸-800、Y軸-1600
- レイヤー:2を選択

またフィルターで白黒のエフェクトをかけておきます。
上部メニューのフィルターから、白黒の欄にあるBW1をドラッグ&ドロップしてください。

次に上のクリップを選択して、位置・サイズ・キーフレームを設定します。
位置とサイズは以下のようにしてください。
- スケール:30%
- 位置:X軸800、Y軸-1600
- レイヤー:3を選択

再生ヘッドを最初に合わせた状態でキーフレームを打ちます。

再生ヘッドを8秒の位置に合わせて、X軸を-800にします。
値を変えた場合は自動でキーフレームが打たれます。
1フレーム分進めて、キーフレームを打ちます。
再生ヘッドを最後に持っていき、X軸を-800以下にしてください。(-1000など)
最後に一瞬表示する画像を、8秒の位置で1フレーム分にカットします。

これでピタ止め動画の完成です。
右上のエクスポートからエンコードが行えます。


なお、スマホアプリでCapCutを使う場合、ピタ止め動画用のテンプレートなどがあり、画像を追加するだけで簡単に動画が作成できるようです。
スマホに慣れている方は、スマホの方が簡単かもしれません。
YouTube shortsに動画を投稿する方法
PCからでも投稿できますが、PCだとリミックス機能を使うことができません。
ですので、基本はスマホから投稿するのをおすすめします。
PCから動画を投稿する
PCの場合はYouTubeにログイン後、右上のアイコンから「動画をアップロード」をクリックすれば、動画を投稿できます。

以前はショート動画と認識させるために「#shorts」というタグを追加する必要があったようですが、投稿したら自動でショート動画と認識されていました。

後はタイトルや説明を書いて、公開するだけです。
PCの場合、BGMはエディットから追加することもできますが、Shortsのように人気アーティストの楽曲は使用できません。
スマホから動画を投稿する
スマホの場合は動画データをスマホに転送しておく必要があります。
また投稿にはYouTubeアプリが必要です。
アプリでログイン後、下部真ん中にあるプラスアイコンをタップします。

ショート動画を作成をタップします。

左下のアイコンをタップするとスマホ内の動画一覧が表示されるので、そこから作成したピタ止め動画を追加できます。

BGMを追加したい場合は上部にある「サウンドを追加」から選択できます。

YouTube shortsでは人気アーティストのBGMを使用している動画がたくさんありますが、これはリミックスという機能です。
この機能でBGMを追加する場合は、オリジナルの著作物に帰属するため使用できると書かれています。
動画とサウンドを追加したらテキストを追加したり、カラー編集したりして完成です。
PCと同じくタイトルと説明を入力して、公開できます。
スマホから投稿するときの注意
動画のサイズ、アスペクト比、形式(mp4・H264)を合わせているはずなのですが、DaVinci Resolveで書き出した動画のみ、スマホから投稿できませんでした。
スマホの「クリップを追加」から動画を挿入しようとすると下記エラーがでます。

これについて私の環境だけなのか、何かしらエンコードの設定が邪魔してるのか、原因がわかりませんでした。
ですので、不安な方はDaVinci Resolve以外を使用した方がいいかもしれません。
PCでピタ止め動画を作る方法まとめ
今回はPCでピタ止め動画を作る方法についてご紹介しました。
- ピタ止め動画とは?
- ピタ止め動画の作り方
- YouTube shortsに動画を投稿する方法
動画編集をやったことがない方でも、ピタ止め動画なら簡単に作成することが可能です。
今回は鳥の画像を横に動かす方法のみ紹介しましたが、動かし方を工夫すればゲーム性も高めることができます。
そこまで難しい操作はないので、ぜひ挑戦してみてください。
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