
YMM4の台本読み込み機能は、台本からボイスや字幕アイテムを自動で生成してくれる機能です。
2021年10月に実装され、ゆっくり解説動画を作るのがとても簡単になりました。
今回はYMM4を使い始めて間もない方に向けて「台本読み込み機能」の使い方を解説していきます。
- 台本読み込み機能の基本的な使い方
- オススメの台本作成方法
- Vrew+YMM4で字幕のみつける方法
YMM4の台本読み込み機能とは?
自分で書いた台本をYMM4に読み込むことができる機能です。
このようにキャラクターとセリフを分けて台本を書きます。

YMM4側でキャラクターの設定をしておけば、そのキャラクターに合わせて音声やテロップを自動的に生成することが可能です。
ほぼデフォルトですが、「2人」というキャラクターを新規作成して、字幕の位置とレイヤーだけ設定しました。
キャラクター | ボイス | 字幕の位置 | レイヤー |
ゆっくり霊夢 | AquesTalk1 / 女性1 | Y/432px | 4 |
ゆっくり魔理沙 | AquesTalk1 / 女性2 | Y/432px | 5 |
2人 | AquesTalk1 / 女性1 | Y/432px | 6 |
複数のレイヤーに重ねてボイスアイテムが生成できないので、あとから編集するために「2人」という新規キャラクターを作り、レイヤーを分けています。
実際に台本を読み込むとこのようになります。
※立ち絵、字幕の背景は手動で追加しました。

2人の部分を修正して出力すると、このようになります。
台本を読み込んだあとでも、キャラクター設定を変えれば字幕の色、字幕の位置、フォントなどは反映されます。
ですので、一度台本を読み込んだあとにプレビューを見ながら字幕の設定をすることが可能。
このように台本読み込み機能を使えば、簡単にボイスや字幕の生成ができます。
口パクや瞬きの設定はこちらの記事を参考にしてみてください。
台本読み込み機能の使い方
台本を作成して読み込むだけですが、台本の作成方法が複数あるため、それぞれ解説していきます。
YMM4でキャラクターの設定をする
まずYMM4でキャラクターの設定をします。
台本作成とキャラクター設定はどちらが先でも構わないのですが、台本を読み込む前にレイヤーの設定はしておきましょう。
レイヤーを設定しておかないと、台本を読み込んだときに、別のキャラクターのセリフがすべて同じレイヤーに入ってしまいます。
特定のキャラクターにエフェクトをかけたいときなど、レイヤーが一緒だと分ける作業が大変です。
ですので、レイヤーだけ先に設定しておきましょう。
「ファイル」→「キャラクターの編集」→「キャラクター設定」からレイヤーを変更できます。

YMM4では下のレイヤーにあるアイテムが手前に表示されます。
字幕は最前面に表示することが多いので、背景やBGMなど、使うアイテムの数より下に設定しておいてください。
台本を作成して読み込む
続いて動画用の台本を作成していきます。
台本はYMM4で直接執筆、または外部ファイルから読み込むことができます。
- YMM4で台本を書く方法
- テキストファイルに台本を書く方法
- 表計算ソフトで台本を書く方法
YMM4で台本を書く方法
YMM4で台本を書く場合は、セリフを入力しながらキャラクターを変更します。
メニューバーのツール→台本読み込みから台本編集を表示。

あとはセリフを入力してキャラクターを指定するだけです。
このとき必ずセリフを入力してからキャラクターを変更するようにしてください。
キャラクターを変更してからセリフを入力しようとすると、行が消えてしまいます。

ですので先にセリフ、そのあとにキャラクターを変更するようにしましょう。
使えるコマンドは以下の通りです。
Enter | 新しい行を追加して移動 |
Shift+Enter | セリフ内で改行 |
Tab | 次の行へ移動 |
Shift+Tab | 前の行へ移動 |
Ctrl+D | キャラクターの変更 |
Ctrl+S | 台本ファイルを保存 |
一通り台本の執筆が終わったら「タイムラインに追加」をクリックすると、アイテムが自動で生成されます。
テキストファイルで台本を書く方法
テキストファイルで台本を書く場合は、以下のように形式が決まっています。
キャラクター1「セリフ」
キャラクター2「セリフ」
ゆっくり霊夢に「ゆっくり霊夢です。」と言わせたい場合はこのようになります。
ゆっくり霊夢「ゆっくり霊夢です。」
「」は表示されず、「」内のテキストがセリフとして入力されました。

セリフ内で改行したい場合は、「」内でそのまま改行します。
ゆっくり霊夢「こんばんは、
ゆっくり霊夢です。」
しっかり句読点のところで改行されました。

「」を表示したい場合は「」の前に半角で\記号を入れます。
ゆっくり霊夢「\「ゆっくり霊夢です。\」」
「」を表示することができました。

セリフに使わないコメントを入れるときは「# コメント」と入力します。
ゆっくり霊夢「ゆっくり霊夢です。」
# 効果音1を使用
編集を誰かに依頼する場合は、こういったコメントを入れることで情報を伝達しやすくなります。
あとはキャラクターごとにセリフを追加し、台本を完成させてYMM4に読み込むだけです。
テキストファイルの読み込みは、台本編集画面のフォルダアイコンから可能。

読み込んだあと「タイムラインに追加」をクリックすれば、ボイス・字幕のアイテムが自動で生成されます。
表計算ソフトで台本を書く方法
Excel・スプレッドシートなどの表計算ソフトで、台本の作成が可能です。
今回はスプレッドシートを使って台本を書いていきます。
表計算ソフトの場合はA列にキャラクター名、B列にセリフを入力していきます。

セリフを2行にしたい場合は、そのままセル内で改行すればOK。

あとはcsvファイルで保存してYMM4で読み込むだけです。
スプレッドシートでは「ファイル」→「ダウンロード」→「カンマ区切り形式(.csv)」からcsvファイルで保存ができます。

YMM4での読み込みは、テキストファイルと一緒で台本編集画面のフォルダアイコンから可能。
あとは「タイムラインに追加」をクリックでアイテムが生成されます。
表計算ソフトで台本を作る4つのメリット
台本を書くなら断トツで表計算ソフトがオススメです。
4つのメリットについて解説していきます。
- 共有ができる
- C列にコメントを書ける
- 記号の表記ルールがない
- 表計算ソフトの機能が使える
共有ができる
クラウドソーシングなどで台本執筆の仕事をすると、約9割の方が表計算ソフトを使用しています。
スプレッドシートであればクライアントとURLを共有できるので、作業も意思疎通もしやすいです。
表計算ソフトで台本の作成になれておくと、クライアントワークでも仕事ができるようになります。
【クラウドソーシング】YouTubeの台本作成のやり方は?報酬はどれくらい?
C列にコメントを書ける
テキストファイルではコメントを「# コメント」と入力しましたが、表計算ソフトではC列に書き込んだものは台本に反映されません。
これの何が良いかというと、表計算ソフトなら画像やURLなどをリンクで入力できる点です。
台本を執筆しながら思いついた演出をメモ、またURLや画像を載せて相手に情報を伝えることができます。
表計算ソフトならより的確な情報伝達が可能なため、クライアントワークでも効率よく作業ができます。
記号の表記ルールがない
テキストファイルのように、記号を表示するためのルールがありません。
テキストファイルでcsvファイルを作成するにはいくつかルールが設定されています。
台本ファイルをもとにボイスアイテムを追加する | 饅頭遣いのおもちゃ箱
表計算ソフトはこれらのルールが適用されません。
単純に覚えることが少なくて済むので、台本が書きやすくなります。
表計算ソフトの機能が使える
フィルターをかけて特定のセルだけ抽出したり、関数で文字数をカウントしたり、台本を書くために便利なツールがいろいろ使えます。
動画によって一行に入れられるテロップの文字・改行数なども異なるため、カウントしながら書いた方が見直し・修正もしやすいです。
難しい関数を使わずに効率よく台本がかけるため、YMM4の台本は表計算ソフトで作るのがオススメです。
台本の詳しい書き方についてこちらの記事で解説していますので、参考にしてみてください。
Vrew+台本読み込み機能で字幕のみ作成する方法
台本読み込み機能はボイスアイテムといって、音声と字幕がセットになったアイテムが生成されます。
ただ音声を使わなければ字幕のみ使用することが可能。
簡単なものであれば、切り抜き動画などもYMM4で編集できます。
一例としてVrewと台本読み込み機能を使い、サンプル動画に字幕を入れるというのをやってみました。
今回お借りした動画はこちら。
YMM4でキャラクター設定
まず字幕のみを生成するために新規キャラクターを作成します。
「ファイル」→「キャラクターの編集」→「キャラクターの設定」を開き、下部にある「新規作成」から追加できます。
キャラクターに任意の名前をつけて、声質は「コマンドライン/〇〇」のいずれかを選択。
実行ファイルを指定しなければ音声が作られないため、字幕のみで使用ができます。
動画をレイヤー00に置きたいので、字幕はレイヤー01にしておきましょう。

これでキャラクター作成は完了です。
もし字幕の色やサイズ、位置などが決まっていればこのタイミングで設定してもOK。
Vrewでテキストファイルを作成
Vrewは音声を自動でテキスト化してくれる無料のソフトです。
会員登録しなくても使えますが、会員登録すると無制限で利用が可能。
下記リンクからVrewのインストールができます。

インストールが終わってVrewを起動したら動画を読み込みます。
そのまま動画をVrewにD&D、または「ファイル」→「新規作成」→「動画ファイルで始める」をクリックして動画を選択。

英語の動画なので、言語を英語にして確認。

これで音声の分析が自動で行われ、分析が終わるとテキストが生成されます。
本来ここで誤字脱字などの修正をしますが、英語がわからないのでテキストはこのまま使用します。
YMM4に読み込んでからでも修正は可能です。

このテキストデータを台本にしてYMM4に読み込ませます。
テキストデータを保存したい場合は「ファイル」→「他の形式でエクスポート」→「テキストファイル」でエクスポートが可能。

その場合、クリップ間改行を「改行1回」にしておいてください。
表計算ソフトに貼り付けたときに、空白行ができないようにするためです。

台本に貼り付けるだけなので、Vrewを起動しておいて「字幕」から「字幕をすべてコピー」で貼り付けでもOKです。

これでテキストファイルの作成は完了。
表計算ソフトで台本の作成
YMM4で作ったキャラクター名と、Vrewのテキストファイルで台本を作ります。
A列にYMM4で作ったキャラクター名、B列にVrewで作ったテキストを入力。
B1にカーソルを合わせて貼り付ければ、Vrewで生成したテキストが一行ずつセルに入力されます。

csvで任意の場所に保存すれば、台本の作成は完了です。
YMM4で動画と台本を読み込む
YMM4で動画と台本を読み込みましょう。
動画はタイムラインにD&D、またはアイコンから選択。
台本は「ツール」→「台本読み込み」→「フォルダアイコン」からcsvファイルを選択します。
動画と台本がそれぞれのレイヤーに配置されていればOKです。

動画に合わせて字幕のタイミングを調整
あとは音声に合わせて字幕が表示されるように調整しましょう。
動画ファイルは波形を表示させておくと、音声が入るタイミングを目で確認できます。
動画ファイルを右クリックして「波形を表示」、または動画ファイル選択した状態で「Ctrl+W」で表示が可能。

字幕を音声に合わせて配置します。キャラクター設定で字幕の色とフォントも少し調整しました。

完成した動画がこちら。
こういった使い方をすれば、切り抜き動画などもYMM4で作ることが可能です。
まとめ
今回は台本読み込み機能の使い方についてご紹介しました。
記事をおさらいするとこのようになります。
- 台本読み込み機能とは?
- キャラクターの設定方法
- 3種類の台本の書き方について
- 表計算ソフトのメリット
- Vrewを使った字幕の作り方
やり方を工夫すれば、YMM4単体でもいろいろな動画編集が可能です。
なによりYMM4は非常に軽いので、AviutlやDaVinci Resolveが動かない低スペックPCでも動画編集ができます。
凝ったエフェクトやプラグインなどを使わなくても、簡単な動画編集はできるので、動画編集に挑戦してみたいという初心者の方はぜひYMM4を使ってみてください。
また初心者の方でもゆっくり解説が作れるように、手順を解説した記事もございます。
よければこちらも参考にしてみてください。
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