結論:2026年10月前半の最大ニュースは「FLUX 3 Image」の登場とComfyUIへの即日対応、そしてワークフローを自然文で組む「Comfy Agent」の公開です。 ローカル派はComfyUI v0.38〜v0.39の更新内容と、8GBでフルファインチューンできる学習ツールの登場を押さえておけば十分です。
9月末〜10月第1週に出たAI画像生成まわりの動きから、日本のSD実務者に関係が深いものを8つに絞って整理しました。前回の9月まとめ(Qwen-Image-2.1・GPT Image 2.5・ComfyUI v0.37)の続編です。
10月のAI画像生成ニュース早見表
| # | ニュース | 種別 | ローカル利用 | 実務インパクト |
|---|---|---|---|---|
| 1 | FLUX 3 Image公開 | 新モデル | 重み公開予告のみ | 大 |
| 2 | Comfy Agent公開 | ツール | Cloudのみ(Desktop版予告) | 大 |
| 3 | ComfyUI v0.38.0 | アップデート | 可 | 中 |
| 4 | ComfyUI v0.38.2〜v0.39.1 | アップデート | 一部APIノード | 中 |
| 5 | Fizgig v7(8GBでフル学習) | 学習ツール | 可 | 中 |
| 6 | Qwen-Image 2.1の派生(6ステップ蒸留・衣装替えLoRA) | コミュニティ | 可 | 中 |
| 7 | Scumble(ComfyUI用インペイント編集アプリ) | ツール | 可 | 小〜中 |
| 8 | 大手各社の画像モデル競争 | 業界動向 | 不可(API) | 参考 |
1. FLUX 3 Image:4K出力・参照10枚・バウンディングボックス編集
Black Forest Labsが10月1日にFLUX 3 Imageを公開しました。FLUX 3という画像・動画・音声をまたぐモデル群のうち、画像生成と編集を担うモデルです。
- 出力は最大約16.8メガピクセル(例:5456×3072)のネイティブ4K
- 参照画像は最大10枚まで投入可能
- バウンディングボックス(座標指定の枠)で「どこに何を置くか」を指定できる
- 編集を何度重ねても、指定範囲以外のピクセルを保つ「マルチターン編集」が売り
価格は1MP相当で1枚あたり約0.048ドル、4Kで約0.607ドル(10月8日まで50%オフ)。オープンウェイトは「数週間以内」と予告されている段階で、現時点ではローカル実行できません。商用利用はAPI経由か、BFLとの個別ライセンス契約になります。
詳しい使い方は当日公開のFLUX 3 Image実践ガイドにまとめています(記事末尾の関連記事リンク参照)。
2. Comfy Agent:自然文でワークフローを組むAIアシスタント
Comfy Orgが10月1日にComfy Agentを発表しました。「人物の立ち絵を2K出力して背景だけ差し替えたい」のように頼むと、ノードの配置・配線・実行・エラー時の修正までキャンバス上で行ってくれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供先 | Comfy Cloud(全ユーザー) |
| ローカル版 | Comfy Desktop向けを「数週間以内」と予告 |
| 同時チャット | 最大5本(それぞれ独立した履歴) |
| 料金 | 新規は無料お試しチャットあり、以降はComfy Credits消費 |
| 中身のLLM | Anthropic製の最先端モデル(将来は切替・ローカルLLM対応予定) |
ポイントは「完成画像ではなくパイプラインが残る」こと。 使ったノード・シード・サンプラー・モデルがすべてキャンバスに残るので、初心者が既存ワークフローの意味を学ぶ用途にも向きます。ただしCloud上では承認済みカスタムノードしか使えません。
3. ComfyUI v0.38.0:Ming Image・Qwen-Image 2.1 ControlNet・w6a8量子化
9月29日リリースのv0.38.0は、ローカル勢に効く変更が多めです。
- Ming Image 0.1 Design対応:文字が多いデザインレイアウト向けの6Bモデル。RGBA(透過)出力が可能
- Qwen-Image 2.1 ControlNet(Union Fun)対応
- w6a8量子化(重み6bit・演算8bitの混合精度)に対応。対象GPUや削減量は公式に未記載
- Wan ID-V2V:人物の同一性を保った動画→動画変換
- Convert Image Color SpaceノードにLogC3/ACEScct(HDR色空間)を追加
4. ComfyUI v0.38.2〜v0.39.1:FLUX 3やNano Banana 2.1をノードで呼べる
| バージョン | 日付 | 主な追加 |
|---|---|---|
| v0.38.1 | 9/30 | Ideogram 4.5ノード、HeyGen Video 1.0 |
| v0.38.2 | 10/2 | FLUX 3 Image(生成・編集・バウンディングボックス)、Grok Imagine Video 1.5 Lite |
| v0.39.0 | 10/5 | 保存の既定を16bit浮動小数EXRに、Save Videoの画質向上(h264 CRF18)、繰り返しウィジェット |
| v0.39.1 | 10/7 | Nano Banana 2.1(1K〜4K、生成と編集を1ノードで) |
注意:v0.39.0から画像保存の既定がEXR(16bit)になっています。 後工程でPNG前提のスクリプトを使っている人は、保存ノードの形式を確認してください。
5. Fizgig v7:8GB VRAMでフルファインチューン
学習ツールのFizgig v7が、対応6モデルすべてで8GBカードでのフルファインチューンを可能にしたと発表されました。LoRAではなく本体ごとの学習が8GBで回せるのは、RTX 3060〜4060クラス利用者にとって大きな変化です。ただし学習時間はVRAM節約の分だけ長くなる点に注意してください。
6. Qwen-Image 2.1の派生が急増
9月公開のQwen-Image 2.1は、早くも派生物が出揃い始めています。
- Viggle Turbo v0.3:Qwen-Image 2.1を6ステップで生成できる蒸留版(公式ノード付き)。ライセンスはQwen Research License
- Outfit Swap LoRA:構図と背景を保ったまま服だけ替えるコミュニティLoRA
- AnyAngle Studio:写真や3DモデルからポーズとデプスガイドをQwen-Image 2.1向けに作る3Dカメラツール
商用利用の注意:Research Licenseの派生物は商用不可の場合があります。販売物に使う前に各配布ページのライセンスを必ず確認しましょう。
7. Scumble:ComfyUI用の無料インペイント編集アプリ
ScumbleはComfyUIをバックエンドにして動く、デスクトップ型のインペイント編集アプリです。GPL-3.0で無料。ノードを組まずにブラシでマスクを描いて部分修正したい人向けで、手指や小物の修正作業が速くなります。
8. 業界動向:画像モデル競争に新規参入が相次ぐ
9月にはMicrosoft(MAI-Image-2.6)、Meta(Muse Image)、xAI(Grok Imagine Image 2.0)が相次いで主要ランキングに登場しました。ベンチマーク上はGPT Image 2.5がプロンプト追従・文字描画で優位とされ、コンセプトアートはMidjourney V8.2、写実的な商品画像はFLUX系という使い分けが定着しつつあります。
FLUX 3 Imageはまだ主要ランキングに載っていないため、評価が出揃うのは10月中旬以降の見込みです。
まとめ:10月前半に押さえるべき3点
- FLUX 3 Image:API・ComfyUIノードで今すぐ試せる。ローカル重みは公開待ち
- Comfy Agent:Cloud限定だがワークフロー学習に有効。Desktop版の公開を待つのも手
- ComfyUI v0.39:保存形式の既定変更(EXR)に注意しつつ更新を
次回はFLUX 3のオープンウェイト公開と、Comfy AgentのDesktop版の動向を追いかけます。
関連記事
よくある質問(FAQ)
FLUX 3 Imageはローカル(自分のPC)で使えますか?
2026年10月8日時点ではAPIのみです。オープンウェイトは「数週間以内」に公開予定と発表されています。
Comfy Agentは無料で使えますか?
Comfy Cloudの新規アカウントには無料のお試しチャットがあり、それ以降はComfy Creditsを消費します。
ComfyUI v0.39にすると何が変わりますか?
画像保存の既定が16bit EXRになり、動画保存の画質が上がります。Nano Banana 2.1などのAPIノードも追加されています。
8GB VRAMでもフルファインチューンできますか?
Fizgig v7は対応6モデルで8GBカードでのフルファインチューンに対応したと発表しています。学習時間は長くなる点に注意してください。