Stable Diffusionを初めてからGoogle Colab有料版を使用する機会が多くなりました。
最初は仕様がよくわからなかったのですが、使い始めてからある程度理解できてきたので、今回はGoogle Colabの無料・有料の違いや、それぞれのプラン内容について解説します。
Google Colabとは?
Google Colab(Google Colaboratory)は、Googleが提供するクラウドベースのJupyterノートブック環境です。
Pythonコードをブラウザ上で実行し、データ分析や機械学習のタスクを行うことができます。
GPUやTPUといった高性能な計算資源を無料で利用できる点が魅力です。
Google Colabの無料・有料の違いは?
Google Colabの無料版と有料版の主な違いは以下の通りです。
高性能なGPUが使用可能
有料版では、無料版よりも高性能なGPUを使用できます。
無料版は利用に制限があるため、混雑時にはリソースが限られます。
実行時間の延長
無料版だと最大12時間までしか使用できません。
有料だと最大24時間まで延長されるため、余裕をもってプログラム実行ができます。
ディスクサイズの増加
このディスクサイズは仮想環境で使用できるものです。
Google Colabでは仮想環境を構築し、セッション中このディスクにデータを保管します。
無料版だと使用できるディスクサイズが約80GBほどですが、有料版だと約2倍です。
なお、セッションが切れるとデータは失われるため、Google Driveをマウントしてデータを保存することも可能です。
特定のプログラムが実行可能
Stable Diffusionなど膨大な処理を要するものは、無料版で使うと途中でセッションが切れてしまいます。
有料版にすると、そういったツールも利用できるようになります。
Google Colab有料プランの種類は?
Google Colabの有料プランは以下4つです。
- Pay As You Go
- Colab Pro
- Colab Pro+
- Colab Enterprise
またプランを契約するにあたって、コンピューティングユニットという単位を把握しておく必要があります。
コンピューティングユニットとは?
コンピューティングユニットは、購入したプランに応じて使えるリソースの量です。
セッション中、時間に応じて消費されるもので、プランによって使える量が異なります。
使用するCPU/GPUによって1時間当たりの消費量が異なり、それぞれ以下の通りです。
- CPU: 0.08(1250時間相当=約52日間相当)
- T4 GPU: 1.96(約51時間相当=約2日間相当)
- V100 GPU: 5.36(約18時間30分相当)
- A100 GPU: 13.08(約7時間30分相当)
- TPU: 1.96(約51時間相当=約2日間相当)
参考記事:Colab Pro/Pro+/Pay As You Goとは? 無料版との違い、比較表:Google Colaboratory入門 - @IT
コンピューティングユニットがなくなると無料版と同じ扱いになるため、Stable Diffusionなど膨大な計算処理を要するものは使用できません。
自分が行いたい処理がどのGPUでどれくらい時間かかるか把握できると、コンピューティングユニットを節約できるようになります。
Pay As You Go
Pay As You Goは、必要な分を買切、または追加で購入できるものです。
サブスクリプション方式で契約したくない方や、コンピューティングユニットが足りないときに追加したい場合は、Pay As You Goがおすすめ。
購入できるのはProかPro+と同じ価格のもので、プランに応じたコンピューティングユニットが追加されます。
- Pro:100コンピューティングユニット(1,179円)
- Pro+:500コンピューティングユニット(5,767円)
Colab Pro
Colab Proは、サブスクリプション方式で契約できるプランです。
月額1,179円で毎月100コンピューティングユニットが追加されます。
なお、コンピューティングユニットの有効期限は90日間です。
Colab Pro+
Colab Pro+も、サブスクリプション方式で契約できるプランです。
月額5,767円で毎月500コンピューティングユニットが追加されます。
Pro+も同じくコンピューティングユニットの有効期限は90日間です。
Proと大きく違うのはバックグラウンド処理の有無で、ノートブックを実行してブラウザを閉じても、処理を継続できます。
Colab Enterprise
Colab Enterpriseは、企業向けに特化したプランで、従量課金制です。
チームや組織で利用するためのプランなので、個人利用の選択肢には入らないと思います。
英語ですが専用のページがあるので、詳細はこちらをご確認ください。
Google ColabでStable Diffusionを使うのってどうなの?
これは用途によります。
画像の大量生成や長時間使用が目的の場合は、Google Colabはおすすめできません。
コンピューティングユニットの制限があるため、大量生成には向かないからです。
そういった目的であれば同じクラウドサービスのpaperspaceの方をおすすめします。
状況は限られますが、画像生成AIを試してみたい方やストレスなく研究・開発を行いたい方はGoogle Colabの方が良いかもしれません。
- 大量生成はしない
- ローカルだとPCスペックが足りない
- 好きなタイミングで使いたい
- 何らかの理由で他のクラウドサービスだと環境構築できない
など。
長期的な利用だとPCを買ってしまった方が安上がりな場合もあり得るので、やりたい事と価格などを照らし合わせて考えてみてください。
Google Colab有料版の違いまとめ
今回はGoogle Colab有料版の違いについてご紹介しました。
どういった用途で使うかにもよりますが、画像生成AIを経験してみたい方、PCスペックが足りない方、自分なりに研究・開発がしたい方にはGoogle Colabは良い環境だと思います。
仮想環境で使用するならpaperspaceよりディスク容量も多く、繋がらないタイミングもほとんどありません。
とりあえず何かやってみたいことがある場合は気軽に試せるので、興味がある方は使ってみてください。
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